【金曜連載08】男女ダイエット科学|アルコールと体組成—お酒を飲みながらでも体型を維持できる科学的な飲み方|LiAiL

2026.07.03

パパ、ダイエット中の人が「お酒は完全にやめないとダメですか」って聞いてきたんだけど……一切禁止しないと体型維持は無理なの?🐾

「完全禁止」は継続性を破壊する最大の要因よ。アルコールが体組成に与える影響を正確に理解し、戦略的に管理すれば、適度な飲酒と体型維持は両立できる。パパ、現実的な飲み方の科学を語りなさい。🐾

皆さん、こんにちは。LiAiL代表の乳井雅和です。
(👉 代表・乳井の詳しいプロフィールはこちら

前回Vol.7ではチートデイ(リフィード)の科学をお伝えしました。今週Vol.8は、減量・体組成維持における「現実的な継続性」というテーマを深める——「アルコールと体組成:お酒を飲みながらでも体型を維持できる科学的な飲み方」を解説します。

(👉 【金曜連載Vol.7】チートデイの科学はこちら
(👉 【金曜連載Vol.5】PFCマクロ設計はこちら
(👉 【火曜連載Vol.7】コルチゾールと女性の体型はこちら

「お酒を一切やめないとダイエットは成功しない」という極端な指導は、継続性を破壊し、多くの人を「全か無か」の思考に陥らせます。LiAiLでは「完全禁酒」を強制するのではなく、アルコールが体組成に与える正確な生理学的影響を理解した上で、現実的に付き合っていく戦略を提案します。


1. アルコールが体組成に与える「3つの直接的影響」

「優先的に代謝される」エネルギー——脂肪燃焼の一時停止

アルコール(エタノール)は1gあたり7kcalという高カロリーでありながら、体内に貯蔵することができないため、肝臓で最優先的に代謝されます。この代謝が行われている間(飲酒後数時間)、脂肪酸の酸化(脂肪燃焼)が著しく抑制されることが研究で示されています。「飲酒した日は脂肪が燃えにくい」というのは正確な生理学的事実です。ただしこれは「一時的な代謝の優先順位の変化」であり、不可逆的なものではありません。

テストステロン・睡眠への影響——同化ホルモンの抑制

木曜Vol.5で解説したテストステロンは、急性のアルコール摂取により一時的に低下することが示されています。さらにアルコールは睡眠の「質」を低下させます(深睡眠を減少させ、レム睡眠の断片化を引き起こす)。木曜Vol.4で解説した深睡眠中の成長ホルモン分泌が阻害されることで、睡眠を介した間接的な体組成への悪影響も生じます。

食欲制御の崩壊——「飲んだ後に食べ過ぎる」現象の科学

アルコールは視床下部の食欲制御機能に直接作用し、満腹中枢の感受性を低下させ、食欲を増進させることが示されています。火曜Vol.6で解説したレプチン・グレリンのシステムも一時的に乱されます。「飲んだ後にラーメンが食べたくなる」という現象は、意志の弱さではなく、アルコールによる食欲制御システムの一時的な機能不全が原因です。

📚 専門的エビデンス
Siler SQ, et al. “De novo lipogenesis, lipid kinetics, and whole-body lipid balances in humans after acute alcohol consumption.” American Journal of Clinical Nutrition, 1999.
PubMedで詳しく見る

急性のアルコール摂取が脂肪酸酸化を有意に抑制することを示した代表的なヒト研究です。アルコールが体内で優先的に代謝されることで脂肪燃焼が一時的に停止するメカニズムを実証しており、「飲酒中は脂肪が燃えにくい」という本記事の主張の直接的エビデンスです。


2. 「ビール腹」は本当か——アルコール自体と「飲み方」の影響を分ける

体組成に与える本当の問題は、アルコール自体(1gあたり7kcal)よりも「飲み方」であることが多いです。

  • 糖質を多く含むお酒の選択:カクテル・甘いリキュール・ビール(糖質約3.1g/100ml)は、アルコール由来のカロリーに加えて糖質由来のカロリーも加算されます。
  • 「飲み会の食事」の質:居酒屋・飲み会では高脂質・高カロリーのつまみが選ばれやすく、上記①の食欲増進効果と組み合わさることで、総摂取カロリーが大幅に増加します。
  • 飲酒量の増加:満腹中枢の機能不全により、当初の予定量を超えて飲み続けてしまうことも、総カロリーを押し上げる要因です。

「お酒で太る」のほとんどは、アルコール自体よりも「お酒に付随する食事と量のコントロール」が原因です。


3. LiAiL式「体型を維持しながら飲む 5つの戦略」

  1. 糖質が少ないお酒を選ぶ:ハイボール・ウイスキー・ジン・焼酒・蒸留酒系(糖質ほぼゼロ)を基本とし、ビール・日本酒・甘いカクテルは頻度を抑えます。蒸留酒は醸造酒と比較して糖質量が圧倒的に少ない選択肢です。
  2. アルコールのカロリーをPFCマクロに組み込む:金曜Vol.5で解説したPFCマクロ設計の枠内で、アルコールのカロリーを脂質枠から差し引くのが現実的な方法です(アルコールはタンパク質合成に使われないため、脂質の代替として扱います)。飲む予定がある日は、事前に脂質摂取量を調整します。
  3. 飲酒前に高タンパク食を済ませる:空腹状態での飲酒は食欲増進効果と相まって過食を招きやすくなります。飲酒前にタンパク質中心の食事を済ませておくことで、飲酒後の食欲暴走をある程度コントロールできます。
  4. つまみは高タンパク・低脂質を優先する:枝豆・刺身・鶏むね肉系のつまみを優先し、唐揚げ・天ぷらなど高脂質なつまみの量を意識的に抑えます。
  5. 頻度を「週単位」で管理する:飲酒の頻度は週2〜3回までを目安とし、飲まない日を確保することで睡眠の質・テストステロンの回復期間を作ります。これは「完全禁酒」ではなく「戦略的な頻度管理」です。

※過度の飲酒は健康リスクを高めます。適量を超える飲酒の習慣がある場合は、医師にご相談ください。


まとめ:「完全禁止」ではなく「戦略的な管理」——継続できる現実的なルールが結果を出す

金曜シリーズの流れを振り返ります。

  • Vol.4:停滞期の代謝適応とその突破プロトコル
  • Vol.5:PFCバランスの最適解——筋肉を残しながら脂肪だけを落とすマクロ設計
  • Vol.6:食事タイミングの科学——「30分神話」の修正と目的別タイミング設計
  • Vol.7:チートデイの科学——リフィードによる代謝適応への精密な対策
  • Vol.8:アルコールと体組成——完全禁止ではなく戦略的な飲み方の管理

次週Vol.9では、「外食・コンビニ食でも体組成を維持する科学——現実的な選択肢の作り方」を解説します。アルコール(Vol.8)に続く「現実的な継続性」というテーマで、忙しい社会人のための実践戦略を深めます。


✒️ 執筆者プロフィール

乳井 雅和(Masakazu Nyui)
パーソナルジム LiAiL(リアイル)代表

米国大学にて解剖学、栄養学、運動生理学を専攻。13年にわたり製薬・医療機器業界に従事し、数百件以上の手術現場への立ち合いを通じて、人体の内部構造をリアルに把握してきた類稀な経験を持つ。その圧倒的な知識量は、一般のお客様のみならず、各競技のプロアスリートからも厚い信頼を寄せられるほど。「根拠のない指導で、お客様の大切なお金と時間を奪う嘘の情報をなくしたい」という強い信念を持ち、フィットネス業界全体のレベルアップを自らの使命としている。科学的な「正しい設計図」に基づき、お客様が「今の自分が一番好き」と胸を張れる人生をプロデュース。愛犬のムースとウメを娘のように愛する、誠実な伴走者。

(👉 代表・乳井の詳しいプロフィールはこちら


🎁 本気で身体を変えたいあなたへ

通常3,000円 → 【選べる3段階の入り口】

  1. 本気で変わりたい方: 体験トレーニング予約(2,500円・スタッフ指名可)
  2. まずは相談したい方: 公式LINEでの無料相談・質問(24時間受付)
  3. まだ迷っている方: LINE登録で「一生モノの美肌&痩身ロードマップPDF」をプレゼント

👉 【LiAiL公式LINE】を登録して、350日連載を並走する


LiAiL 運営会議:本日のまとめ

「飲んだ後にラーメンが食べたくなるのは意志の弱さじゃない」って、すごく救われる言葉!蒸留酒系に変えるだけでこんなに違うんだ。今度の飲み会で試してみる🐾

オレはお酒飲まないから完璧な体組成のはずだ!🐾

小太郎、犬にお酒は絶対禁止よ。来週Vol.9は「外食・コンビニ食でも体組成を維持する科学」——忙しい社会人のための現実的な選択肢の作り方を解説するわ。🐾


川越パーソナルジムLiAiL代表乳井雅和

LATEST