【金曜連載19】男女ダイエット・競技者減量の科学|筋力トレーニングの頻度とボリューム|週に何回・何セットが最適かの科学的検証|LiAiL
パパ、筋トレって週に1回でも毎日でも「効けばOK」って聞くけど、実際どれくらいの頻度・セット数が一番効率いいの?🐾
実はこの分野、用量反応関係を調べたメタ分析がしっかり存在するのよ。パパ、20,000セッション超の指導経験とパワーリフティング競技者としての実践を踏まえて、頻度とボリュームの科学を語りなさい。🐾
皆さん、こんにちは。LiAiL代表の乳井雅和です。
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今週Vol.19は「筋力トレーニングの頻度とボリューム:週に何回・何セットが最適かの科学的検証」を解説します。
(👉 【金曜連載Vol.18】有酸素運動 vs HIITはこちら)
(👉 【金曜連載Vol.17】睡眠と体組成の科学はこちら)
(👉 【金曜連載Vol.5】PFCマクロ設計はこちら)
「限界まで追い込めば頻度もセット数も関係ない」という考え方は用量反応関係を示すメタ分析のデータとは一致しません。頻度とボリュームには、体組成を効率よく変えるための一定の設計指針が存在します。
1. 「ボリューム(セット数)」が筋肉量を左右する——用量反応関係の実測データ
① セット数が多いほど筋肥大が大きい
Schoenfeldら(2017年)が15件の研究・34の介入群を統合したメタ分析では、週あたりのセット数(ボリューム)と筋肥大量の間に、統計的に有意な用量反応関係が確認されました(p=0.002)。週のセット数が多い群と少ない群を比較すると、その差は有意(p=0.03)で、筋肥大量にして約3.9%の差に相当することが示されています。
② 「週10セット/部位」が一つの目安
同メタ分析を踏まえた後続の研究では、1部位あたり週10セット前後が、筋肥大効果がほぼ頭打ちに近づく一つの目安として提示されています。ただし20セットを超えるような高ボリューム帯を検証した研究はまだ少なく、上限がどこにあるかは研究者の間でも完全には特定されていません。
📚 専門的エビデンス
Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. “Dose-Response Relationship Between Weekly Resistance Training Volume and Increases in Muscle Mass: A Systematic Review and Meta-Analysis.” Journal of Sports Sciences, 2017;35(11):1073-1082.
PubMedで詳しく見る
週あたりの総セット数と筋肥大量の関係をメタ回帰分析で検証した、この分野の基礎となる研究です。セット数を増やすほど筋肥大効果が高まるという、ほぼ直線的な用量反応関係を統計的に示しており、「とにかく追い込めばセット数は関係ない」という考え方に対する明確な反証となっています。
2. 「頻度」も重要——同じボリュームでも分割方法で差が出る
同じ研究チームによる2016年の姉妹研究では、総ボリュームを揃えた場合でも、1部位を週1回でまとめて行うより、週2回に分割した方が筋肥大効果が高いことが示されています。例えば「週10セットを1回で行う」より「週10セットを週2回に分けて5セットずつ行う」方が、理論上は有利ということです。これは金曜Vol.17で解説した回復の科学とも関係しており、1回あたりの負荷を分散させることで、筋タンパク質合成の刺激を週の中でより多くの機会に発生させられるためと考えられています。
3. LiAiL式「頻度とボリュームを設計する5つの原則」

- 週10セット/部位を出発点の目安にする:初心者はまず1部位あたり週8〜10セット程度から始め、体の反応を見ながら調整します。
- 各部位を週2回以上に分割する:週1回にまとめるより、同じボリュームを週2回に分けた方が効率的です。
- セット数は急激に増やさない:いきなり高ボリュームに移行すると回復が追いつかず、金曜Vol.17で解説した睡眠・回復の悪化を通じて逆効果になり得ます。数週間かけて段階的に増やします。
- 「効かせられる」範囲でボリュームを管理する:フォームが崩れた状態でのセット数の水増しは、メタ分析が示す効果とは別物です。質を伴わないボリュームは「ジャンクボリューム」になり得ます。
- 疲労が蓄積したら一時的にボリュームを落とす:金曜Vol.4で解説した代謝適応と同様、トレーニングも同じ刺激を与え続けると反応が鈍くなります。定期的な「デロード(意図的な負荷軽減)」を計画に組み込みます。
※持病や既往の怪我がある方、トレーニング初心者の方は、セット数・頻度の設計を自己判断で急激に変更せず、専門家の指導のもとで進めることをおすすめします。
まとめ:「頑張った感」ではなく「セット数×頻度×回復」の設計が結果を決める
金曜シリーズの流れを振り返ります。
- Vol.15:加工食品と超加工食品——NOVA分類から見る本当に避けるべき食品の科学
- Vol.16:間欠的断食(16:8)の科学的検証——本当に効果的なのか、それとも単なるトレンドか
- Vol.17:睡眠と体組成——なぜ寝不足はダイエットの最大の敵なのか
- Vol.18:有酸素運動 vs HIIT——脂肪燃焼に本当に効果的なのはどちらかの科学的検証
- Vol.19:筋力トレーニングの頻度とボリューム——週に何回・何セットが最適かの科学的検証
次週Vol.20では、「タンパク質摂取量の本当の上限——『摂りすぎ』は腎臓に悪いのかの科学的検証」を解説する予定です。
✒️ 執筆者プロフィール
乳井 雅和(Masakazu Nyui)
パーソナルジム LiAiL(リアイル)代表
米国大学にて解剖学、栄養学、運動生理学を専攻。13年にわたり製薬・医療機器業界に従事し、数百件以上の手術現場への立ち合いを通じて、人体の内部構造をリアルに把握してきた類稀な経験を持つ。その圧倒的な知識量は、一般のお客様のみならず、各競技のプロアスリートからも厚い信頼を寄せられるほど。「根拠のない指導で、お客様の大切なお金と時間を奪う嘘の情報をなくしたい」という強い信念を持ち、フィットネス業界全体のレベルアップを自らの使命としている。科学的な「正しい設計図」に基づき、お客様が「今の自分が一番好き」と胸を張れる人生をプロデュース。愛犬のムースとウメを娘のように愛する、誠実な伴走者。
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LiAiL 運営会議:本日のまとめ
「週1回まとめて」より「週2回に分けた方」がいいって、意外と知らない人多そう🐾
ボクは毎日「伏せ」を10セットくらいやらされてる気がするぞ!🐾
小太郎、それはただのしつけよ。来週Vol.20は「タンパク質摂取量の本当の上限」——摂りすぎは腎臓に悪いのかを解説するわ。🐾











