【火曜連載14】女性ホルモンと体型の科学|女性ホルモンと肌質の変化|LiAiL
パパ、前回は睡眠の話だったけど、今日は肌なの?「歳を取ると肌がたるむ」ってよく聞くけど、それって年齢のせいなんじゃないの?🐾
実はそこも大きな誤解の一つなの。肌のコラーゲン量は「暦年齢」よりも「閉経してからの年数」と強く関係しているという研究があるのよ。パパ、その驚きのデータを説明してあげて。🐾
皆さん、こんにちは。LiAiL代表の乳井雅和です。
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前回Vol.13では「女性ホルモンと睡眠の質」についてお伝えしました。今週Vol.14は、20,000セッションを超える指導の中でも「同い年なのに肌の状態が全然違う」というお客様の声から着想を得たテーマ、「女性ホルモンと肌質の変化。エストロゲンとコラーゲン産生の関係」を解説します。
(👉 【火曜連載04】更年期前後のホルモン変化と体型崩れはこちら)
(👉 【火曜連載05】ビタミンDとエストロゲン・骨密度の関係はこちら)
(👉 【火曜連載01】エストロゲンと脂肪分布の真実はこちら)
「肌の衰えは年齢とともに仕方なく起こるもの」これは半分正しく、半分は誤解です。肌の変化を左右しているのは、実は暦年齢そのものではありません。
1. エストロゲンとコラーゲンの関係|肌の「土台」を支えるホルモン
皮膚の真皮層にはエストロゲン受容体が存在し、線維芽細胞・角化細胞など複数の皮膚構成細胞に作用します。エストロゲンは真皮のI型・III型コラーゲンの合成を促進するほか、ヒアルロン酸などの保湿成分の産生にも関与しており、肌のハリ・弾力・水分保持の「土台」を作る役割を担っています。
そのため、エストロゲンの分泌量が大きく変動する更年期には、肌の構造そのものにも変化が及びます。ではその変化は、具体的にどの程度・どのようなペースで起こるのでしょうか。
2. 科学が示す「閉経後の肌変化」数値で見るコラーゲン減少
この分野の基礎となったのが、1987年に発表された研究です。
📚 専門的エビデンス
Brincat M, Kabalan S, Studd JW, Moniz CF, de Trafford J, Montgomery J. “A study of the decrease of skin collagen content, skin thickness, and bone mass in the postmenopausal woman.” Obstetrics & Gynecology, 1987.
PubMedで詳しく見る
閉経後の女性を対象に、皮膚コラーゲン量・皮膚厚・骨量の変化を追跡した基礎研究です。女性は閉経後最初の5年間で皮膚コラーゲンの約30%を失い、その後15年間はおよそ年2.1%のペースで減少し続けることが示されました。さらに重要な点として、未治療群では皮膚コラーゲン量が「暦年齢」ではなく「閉経してからの年数(閉経年齢)」と相関することが確認されています。
つまり同じ「45歳」でも、閉経を迎えた時期が早いか遅いかによって、皮膚コラーゲンの状態は大きく異なるということです。「歳を取ったから肌が変わった」のではなく、「エストロゲンが低下してからの年数」が実質的な変数だという点が、この研究の最も重要な示唆です。
3. 「同じ年齢でも肌が違う」の理由|閉経年齢という隠れた変数
Vol.4で解説した通り、更年期の訪れる時期には個人差があります。早発閉経(40歳未満での閉経)を経験した女性は、同年代の中でも早い段階からコラーゲン減少が始まっている可能性があり、逆に閉経が遅い女性は、同じ暦年齢でも肌の構造がより保たれている可能性があります。「同い年なのに肌の状態が違う」という現象の背景には、生活習慣だけでなく、こうしたホルモン年齢の違いが存在するのです。
また、Vol.5で扱った骨密度と同じく、この研究では骨量の変化も同時に追跡されており、皮膚コラーゲンと骨量はいずれもエストロゲン低下の影響を並行して受けることが分かっています。肌の変化は、体の内側で起きているホルモン変化の「見える化」された一側面と捉えることができます。
4. LiAiL式「肌とホルモンに向き合う5つの介入」

- 肌の変化を「老化」ではなく「ホルモン変化」として理解する:暦年齢ではなく閉経年齢という変数があることを知るだけでも、必要以上に自分を責める発想から離れやすくなります。
- 紫外線対策を基本に据える:紫外線はコラーゲン分解酵素(MMP)を活性化させ、ホルモン変化とは独立して肌の老化を進める要因です。年齢・時期を問わず優先度の高い対策です。
- タンパク質とビタミンCを両方確保する:コラーゲン合成にはアミノ酸(タンパク質)とビタミンCが補酵素として必要です。どちらか一方だけでは合成経路が回りません。
- レジスタンストレーニングで血流・成長因子経路を刺激する:運動による血流改善や成長因子の分泌は、皮膚のターンオーバーを間接的に支える要因として知られています。
- 医療的介入を検討する場合は医師に相談する:ホルモン補充療法(HRT)は肌のコラーゲン量に対して一定の効果が報告されていますが、適応・リスクは個人差が大きいため、自己判断せず婦人科医に相談してください。
まとめ:肌を決めるのは「歳」ではなく「ホルモン年齢」である
火曜シリーズこれまでの流れを振り返ります。
- Vol.1:エストロゲンと脂肪分布の真実
- Vol.2:月経周期の4フェーズと代謝変動
- Vol.3:プロゲステロンと食欲の暴走
- Vol.4:更年期前後のホルモン変化と体型崩れ
- Vol.5:活性型ビタミンDとエストロゲンの関係
- Vol.6:レプチンとエストロゲンの逆フィードバック
- Vol.7:コルチゾールと女性の体型
- Vol.8:甲状腺ホルモンと代謝
- Vol.9:PCOSとインスリン抵抗性
- Vol.10:テストステロン・DHEAと女性の筋肉量
- Vol.11:妊娠・産後のホルモン変化と体型
- Vol.12:授乳期のホルモンと体型変化
- Vol.13:女性ホルモンと睡眠の質
- Vol.14:女性ホルモンと肌質の変化
次週Vol.15では、「経口避妊薬(ピル)とホルモンの科学|体型・気分への影響」を解説します。多くの女性が使用するこの薬が、体にどう作用しているのかをお伝えします。
✒️ 執筆者プロフィール
乳井 雅和(Masakazu Nyui)
パーソナルジム LiAiL(リアイル)代表
米国大学にて解剖学、栄養学、運動生理学を専攻。13年にわたり製薬・医療機器業界に従事し、数百件以上の手術現場への立ち合いを通じて、人体の内部構造をリアルに把握してきた類稀な経験を持つ。その圧倒的な知識量は、一般のお客様のみならず、各競技のプロアスリートからも厚い信頼を寄せられるほど。「根拠のない指導で、お客様の大切なお金と時間を奪う嘘の情報をなくしたい」という強い信念を持ち、フィットネス業界全体のレベルアップを自らの使命としている。科学的な「正しい設計図」に基づき、お客様が「今の自分が一番好き」と胸を張れる人生をプロデュース。愛犬のムース・ウメ・小太郎を家族のように愛する、誠実な伴走者。
(👉 代表・乳井の詳しいプロフィールはこちら)
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LiAiL 運営会議:本日のまとめ
コラーゲンが「暦年齢」じゃなくて「閉経してからの年数」に相関してるなんて驚き!同い年でも違う理由がやっと分かった🐾
最初の5年で30%も減るのは早いな……。骨も肌も、閉経直後の数年間がとにかく重要ってことか🐾
小太郎、その通りよ。来週Vol.15は「経口避妊薬(ピル)とホルモンの科学」体型・気分への影響を解説するわ。🐾











