【金曜連載15】男女ダイエット・競技者減量の科学|加工食品と超加工食品の科学|NOVA分類から見る本当に避けるべき食品|LiAiL

2026.08.21

パパ、「加工食品は太る」ってよく聞くけど、冷凍野菜とか豆腐も加工食品だよね?全部避けなきゃいけないの?🐾

いいところに気づいたわね。問題は「加工食品」全般じゃなくて「超加工食品」よ。パパ、金曜Vol.9・Vol.14の続きとして、その違いを科学的に語りなさい。🐾

皆さん、こんにちは。LiAiL代表の乳井雅和です。
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今週Vol.15は「加工食品と超加工食品:NOVA分類から見る本当に避けるべき食品の科学」を解説します。

(👉 【金曜連載Vol.9】外食・コンビニ食の科学はこちら
(👉 【金曜連載Vol.14】腸内環境と体組成はこちら
(👉 【金曜連載Vol.5】PFCマクロ設計はこちら

「加工食品=悪」という理解は不正確です。豆腐も冷凍野菜も缶詰もすべて「加工食品」であり、それらを全否定する指導は非現実的で継続不可能です。本当に注意すべきは「加工」の有無ではなく「超加工(ウルトラプロセス)」かどうかという区分です。


1. NOVA分類とは「加工」と「超加工」は別物

ブラジルの研究者Monteiroらが提唱したNOVA分類では、食品を4つのグループに分けます。①未加工・最小加工食品(野菜、肉、卵など)②加工調理素材(油、砂糖、塩など)③加工食品(チーズ、パン、缶詰など、家庭の調理の延長線上にあるもの)④超加工食品(家庭のキッチンには通常存在しない工業的な原料・添加物を組み合わせて作られたもの)という区分です。③の「加工食品」は体組成管理において特に避ける必要はなく、問題視すべきは④の「超加工食品」です。


2. 「超加工食品を食べると太る」世界初のRCTが示した事実

同じカロリー・糖質・脂質・食物繊維量でも結果が違った

Hall KDら(2019年)が米国国立衛生研究所(NIH)で実施した入院下でのランダム化比較試験は、この分野における画期的な研究です。体重が安定した成人20名を対象に、超加工食品中心の食事と未加工食品中心の食事を、提示カロリー・糖質・脂質・ナトリウム・食物繊維・マクロ栄養素をすべて一致させた上で、それぞれ2週間ずつ、好きなだけ食べてよい形で提供しました。結果、超加工食品の食事では、未加工食品の食事と比較して1日あたり平均508±106kcal多く摂取(p=0.0001)し、その差は体重変化と強く相関していました。

なぜ「食べ過ぎてしまう」のか

栄養成分表示上は同じでも、超加工食品はエネルギー密度が高く、食べる速度が速くなりやすい設計になっている傾向があります。金曜Vol.14で解説した満腹ホルモンの信号が働く前に、多くのカロリーを摂取してしまいやすいという点が、この508kcalという差の一因と考えられています。

📚 専門的エビデンス
Hall KD, Ayuketah A, Brychta R, et al. “Ultra-Processed Diets Cause Excess Calorie Intake and Weight Gain: An Inpatient Randomized Controlled Trial of Ad Libitum Food Intake.” Cell Metabolism, 2019;30(1):67-77.e3.
PubMedで詳しく見る

栄養成分を厳密に一致させた食事を用いた、この分野で初めての厳密なランダム化比較試験です。「超加工である」という性質そのものが、カロリーや栄養素の内容とは独立して過食を引き起こし得ることを示した、極めて重要なエビデンスです。


3. LiAiL式「超加工食品を見極める5つの実践基準」

  1. 原材料表示の「長さ」と「なじみのなさ」を見る:家庭のキッチンには通常存在しない乳化剤・増粘剤・人工甘味料などが並ぶ商品は超加工食品の可能性が高いというサインです(成分単体の安全性の問題ではなく、加工度の目安として見ます)。
  2. 「止まらない美味しさ」を警戒する:一口目から強い快感を感じ、満腹感より先に食べ進めてしまう設計の食品は、超加工食品の典型的な特徴です。
  3. 外食・コンビニでは「素材が見える」商品を優先する:金曜Vol.9で解説したサラダチキンやゆで卵は加工食品③に該当し、菓子パンやスナック菓子より優先すべき選択肢です。
  4. 「置き換え」ではなく「頻度」で考える:金曜Vol.8・Vol.9と同じ発想で、超加工食品を完全排除するのではなく、日常の中での登場頻度をコントロールします。
  5. 週に数回、素材から作る機会を増やす:すべての食事を手作りにする必要はありませんが、週2〜3食でも素材から調理する習慣は、超加工食品の摂取比率を自然に下げます。

※本記事は特定の食品成分の安全性について評価するものではなく、食品の加工度と過食傾向の関連についての研究知見を紹介するものです。個別の食品アレルギーや持病がある場合は、医師・管理栄養士にご相談ください。


まとめ:「加工食品」ではなく「超加工食品」が本当の論点|頻度で管理すれば十分

金曜シリーズの流れを振り返ります。

  • Vol.11:計量前48時間の科学|パフォーマンスを落とさない安全な最終調整
  • Vol.12:計量後リカバリーの科学|試合開始までに最大パフォーマンスへ戻す再補給設計
  • Vol.13:サプリメントの真実|本当に体組成に効果があるものだけを見極める科学
  • Vol.14:腸内環境と体組成|腸内細菌叢が代謝に与える影響の科学
  • Vol.15:加工食品と超加工食品|NOVA分類から見る本当に避けるべき食品の科学

次週Vol.16では、「間欠的断食(16:8)の科学的検証|本当に効果的なのか、それとも単なるトレンドか」を解説する予定です。


✒️ 執筆者プロフィール

乳井 雅和(Masakazu Nyui)
パーソナルジム LiAiL(リアイル)代表

米国大学にて解剖学、栄養学、運動生理学を専攻。13年にわたり製薬・医療機器業界に従事し、数百件以上の手術現場への立ち合いを通じて、人体の内部構造をリアルに把握してきた類稀な経験を持つ。その圧倒的な知識量は、一般のお客様のみならず、各競技のプロアスリートからも厚い信頼を寄せられるほど。「根拠のない指導で、お客様の大切なお金と時間を奪う嘘の情報をなくしたい」という強い信念を持ち、フィットネス業界全体のレベルアップを自らの使命としている。科学的な「正しい設計図」に基づき、お客様が「今の自分が一番好き」と胸を張れる人生をプロデュース。愛犬のムースとウメを娘のように愛する、誠実な伴走者。

(👉 代表・乳井の詳しいプロフィールはこちら


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LiAiL 運営会議:本日のまとめ

同じカロリーなのに1日500kcalも多く食べちゃうって、意志の力の問題じゃないんだね🐾

ボクのおやつも原材料表示を確認した方がいいのか……見たら知らない横文字だらけだった🐾

小太郎、それは頻度を見直すきっかけね。来週Vol.16は「間欠的断食(16:8)の科学的検証」—トレンドか本物かを解説するわ。🐾


川越パーソナルジムLiAiL代表乳井雅和

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